月が赤い!
えっ!どうしちゃったの?赤い月が出ているよ~!
赤い月を見ると怖くなりませんか?
何かとんでもなく不吉なことが起こるのではないか?
ひょっとして、大地震が起きるのではないか?
などなど…
一体全体、どうして月が赤くなるのでしょうか?理由は?意味は?
ネットを検索すると、なかなか意味不明のサイトがたくさんあります。
そこで、NASAの詳細な、なるほどの解説をご紹介します。
これで妙なもう不安に襲われることが無くなります。
日本では「赤い月」はいつ見られるか?
今度の赤い月は2021年5月26日!
国立天文台によると、日本では2021年5月26日20時09分に皆既月食状態となります。
つまり「赤い月」となります。
2021年5月26日20時28分に皆既月食状態は終わり、徐々に色が薄くなります。
今回の月食では、月が赤くなると言っても、赤みがかる程度です。
21時53分には完全に普段の月の色に戻ると予想されています。
日本でも月がしっかり赤くなっていたら、昔の陰陽師とか占い師とかが、さぞかし時の権力者たちを脅かしていたことでしょう。
そんな理由から赤い月の意味について、海外同様の作り話が蔓延したのも古い話ではありません。
大震災の時にも、月が赤くなったのが前触れだと主張する人も出て来ました。
その日はスーパームーンでもある
皆既月食となる、つまり月が赤くなる2021年5月26日は、日本から月が一番近い距離で見ることになります。
月が地球を周回する軌道は、円ではなく楕円なので、近い時もあれば遠い時もあるということになります。
地球と月との距離が近ければ月は大きく見えますし、遠ければ小さく見えることになります。
その大きさの違いは何と14%!
日本でも最近はアメリカ同様に、大きく見える月を「スーパームーン」と言っています。
アメリカでは「ストロベリームーン」もある?
ややこしいことにアメリカでは「赤い月」より「ストロベリームーン」の方が、よく知られていると言いますか、愛されています。
ストロベリームーンとは、6月の満月のことです。
イチゴのような色の月だと誤解されているといいますか、そう認識されているケースがほとんどです。
最初はアメリカ先住民がイチゴの収穫時期の満月だから、そう呼んだだけなのでした。
でも、言葉というのは生きていますから、オリジナルと違ってしまうことはよくあることです。
恋愛運が上がるとか、恋の月だとか、ストロベリームーンに願いをかけると叶うとか。
補足をひとつ
ストロベリームーンの頃は、月の地球を周回する軌道が傾いているため、空の低い位置を通過します。
そういうケースでは月が発する光(と言っても太陽の反射光ですが)のうち、赤い色の波長だけが残りやすくなります。
つまり、月が赤く見えやすい季節だということです。
ストロベリームーンは月が赤っぽいと考えても、あながち間違っているとも言えないのでした。
月が赤くなる理由とは
お待ちかね、NASAの赤い月の解説です。
まずは学生向けの解説です。
NASAの公式サイトのURLはこちら:
Lunar Eclipses and Solar Eclipses | NASA Space Place – NASA Science for Kids
以下はオリジナル原文と和訳です。
Lunar Eclipse
During a lunar eclipse, Earth gets in the way of the sun’s light hitting the moon. That means that during the night, a full moon fades away as Earth’s shadow covers it up.
月食の間、太陽の光が月に当たるのを地球が邪魔しています。 つまり、夜に、地球の影が満月を覆うと満月は薄暗くなっていきます。
The moon can also look reddish because Earth’s atmosphere absorbs the other colors while it bends some sunlight toward the moon. Sunlight bending through the atmosphere and absorbing other colors is also why sunsets are orange and red.
地球の大気が光の波長(赤以外の色)を吸収し、太陽光を月の方向に屈折させるため、月が赤みを帯びて見えることがあります。 太陽の光が大気中を曲がり、他の色を吸収されるので、夕日がオレンジと赤に見えるのも同じ理由です。
During a total lunar eclipse, the moon is shining from all the sunrises and sunsets occurring on Earth!
皆既月食の間、月は地球上で見る日の出と日の入りと同じ理由で赤っぽく輝いています!
Note: This diagram is not to scale.
注:この図の太陽と地球と月の大きさや位置関係は正確ではありません。
The moon appears orange-red in a total lunar eclipse on October 27, 2004.
2004年10月27日の皆既月食では、月はオレンジレッドに見えました。
Why don’t we have a lunar eclipse every month?
You might be wondering why we don’t have a lunar eclipse every month as the moon orbits Earth. It’s true that the moon goes around Earth every month, but it doesn’t always get in Earth’s shadow. The moon’s path around Earth is tilted compared to Earth’s orbit around the sun. The moon can be behind Earth but still get hit by light from the sun.
月が地球を周回しているのに、なぜ毎月月食がないのか不思議に思うかもしれません。 月が毎月地球を一周するのは事実ですが、月が常に地球の影に入るとは限りません。 地球の周りの月の軌道は、太陽の周りの地球の軌道に比べて傾いています。 月は地球の後ろになっても、太陽からの光は月に届くためです。
In this diagram, you can see that the moon’s orbit around Earth is at a tilt. This is why we don’t get a lunar eclipse every month. This diagram is not to scale: the moon is much farther away from Earth than shown here.
この図では、地球を周回する月の軌道が傾いていることがわかります。 これが、毎月月食が発生しない理由です。 この図は地球と月の位置は正確ではありません。月はここに示されているよりもはるかに地球から離れた位置にあります。
動画で解説
NASAが2018年の皆既月食の赤い月について動画で解説しています。
とても分かり易いのでおススメです。
2021年バージョンができれば良いですけど…
A series of three supermoons will appear on the celestial stage on December 3, 2017, January 1, 2018, and January 31, 2018.