オリジナル英文URL:Development of High-Power Solar Electric Propulsion
A prototype 13-kilowatt Hall thruster is tested at NASA’s Glenn Research Center in Cleveland. This prototype demonstrated the technology readiness needed for industry to continue the development of high-power solar electric propulsion into a flight-qualified system.
Image Credit: NASA
Last Updated: April 22, 2016
Editor: Sarah Loff
高出力太陽光発電ロケット推進エンジンの開発
13キロワットのホールスラスタのプロトタイプが、クリーブランドのNASAのグレンリサーチセンターでテストされています。このプロトタイプは、業界が必要としている高出力太陽光発電推進エンジンを開発し、飛行実証システムに組み込むのに十分な準備ができていることを実証しました。
訳者注
NASAが太陽光推進技術開発に熱心なのは、単なる技術的な関心ではなく、現状の化学反応をベースにしている推進エンジンでは、パワーの面でも、コストの面でも、行き詰まっていて、火星探査を始めとする今後の計画に支障が出ているためです。
NASAが期待を寄せている、高出力太陽光推進技術は、現在の化学推進技術に比べ、推進力が2倍以上、輸送燃料効率でみると10倍以上ということです。
深宇宙探索や民間の宇宙産業のためにも必須の技術開発になります。
なお、ロケット推進エンジンンに電気を活用するというアイデアは、かなり古くから研究されています。
電気推進(Wiki)
電気推進(でんきすいしん、英語:electrically powered spacecraft propulsion)は宇宙空間で用いられるロケットエンジンシステムの一種。現在一般的な化学ロケットと違い、電気エネルギーを用いて推力を得る。 電気推進の推力は化学推進に比べて著しく小さいが、比推力が非常に高いのが特徴。
歴史は古く、1906年にロバート・ゴダードが実現性を検討したノートが残っている。またコンスタンチン・ツィオルコフスキーにより、1911年に概念が発表された。
ホールスラスター(Wiki)
ホールスラスタ (Hall thruster) とは、イオンに対しては外部陰極が作る軸方向の電場勾配が主に働く一方、電子に対してはホール効果による閉じ込め効果が利く程度の磁場をかけて推進剤の電離を促進する電気推進機。「ホール」はホール効果を発見した19世紀の科学者、エドウィン・ホールに由来。
ホールスラスタはリニア型とシース型の2タイプに大きく分けられる。リニア型は旧ソ連が実際に多くの人工衛星に搭載した。
イオンエンジンがChild-Langmuir則により推力密度を著しく制限されるのに対して、ホールスラスタには制限がなく、大電力化が容易である。近年では日本でもさかんに研究が進められているが、いまだ日本の衛星への採用例はない。
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