2016.3.22:火星の重力地図

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オリジナル英文URL:Map of Mars Gravity

A new map of Mars’ gravity is the most detailed to date, providing a revealing glimpse into the planet’s hidden interior. The map was derived using Doppler and range tracking data collected by NASA’s Deep Space Network from three NASA spacecraft in orbit around Mars: Mars Global Surveyor, Mars Odyssey, and the Mars Reconnaissance Orbiter.

Image Credit: MIT/UMBC-CRESST/GSFC
Last Updated: March 22, 2016
Editor: Sarah Loff


新しい火星の重力地図は、かつてなく詳細にできており、通常見ることができない火星内部を明らかにしてくれています。この重力地図はドップラー観測装置を使って収集したデータを、火星の軌道上を周回しているNASAの探査機(マーズ・グローバル・サーベイヤー、マーズ・オデッセイ、マーズ・リコネッサンス・オービター)からNASAの深宇宙ネットワーク経由で地球で受信しています。

(訳者注)

重力地図の中央にある白い部分は、タルシス火山による強い重力を示している地帯で、周囲の青い部分は、地殻の亀裂があって、低い重力であることを示しています。

タルシス火山というのは、火星にある巨大な火山で太陽系の中でも最も大きな火山の一つです。

タルシス (Wiki)

火星におけるタルシス地域は、火星の赤道の巨大な火山平原で、マリネリス峡谷の西端にある。その名は聖書に記された、世界の西の果てにある土地の名タルシシュによる。

タルシス台地の巨大さは、火星地質学に大きな影響を及ぼした。タルシス地域は、タルシスの谷(trough)と呼ばれる、環状の低地に囲まれている。そして、火星の反対側にはタルシス台地より小さなアラビア大陸(Arabia Terra)があるが、これはタルシスの重みの結果形成された可能性がある。これらの特徴は、ノアキス紀後期の火星の渓谷の形成における主要な影響であった。タルシスのマグマから噴出した大量の二酸化炭素や水蒸気は、火星が湿潤だった時代に重要な働きをしたと考えられる。ロジャー J. フィリップスの2001年の計算では、火星表面が1500ヘクトパスカルの二酸化炭素の大気と、平均120mの深さの液体の水で覆われたことを示している。


地形性の雲が、火山の山頂付近に見られるタルシス地域のカラー画像。左上部はオリンポス山、中央はタルシス三山である。三山のうち、下はアルシア山、中央はパヴォニス山、上はアスクレウス山である。画像はNASA/JPL-カリフォルニア工科大学による。

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